2012年鉄道ニュース総集編

2012年も終わりを迎えようとしています。そこで、今年起こった大きな鉄道ニュースをまとめてみることにしました。
※全て2012年12月31日時点での情報です。また特記以外は大井駅所長の撮影した写真です。

今年の大井駅所長の撮影についての総集編はブログ上に掲載しております。
こちらをご覧ください。


<目次>
アンケート結果
その他ニュース


<アンケート結果>
研究所では、12月12日〜25日、「今年一番印象に残った鉄道ニュースは?」アンケートを実施しました。

その中で、得票を得たものを全て紹介します(なお、合計投票数は30でした)。

<1位:関東でのEF64重連総括運用終了(4票)>
数あるニュースの中の1位は、関東でのEF64重連総括の運用終了でした(こんな地味なニュースが1位になるとは、当研究所らしいですね……)。
上越線や中央本線などで長らく維持してきましたが、今年3月に関東で最後まで残っていたEF64重連総括運用の88レ・89レ・2084レ・2085レの4列車がEH200形に置き換えられ、終了しました(重連は6096レで見ることができますが、総括運転ではありません)。
なお、現在では中央西線でのみその姿を見ることができます。


晩年は運用が複雑化し、さまざまな組み合わせを見ることができるようになりました。
4つのパンタグラフを上げてコンテナを牽く姿はまさに壮観でした。


現在はEH200形に置き換えられました。なんとなく、寂しささえ覚えます。

<2位:「日本海」「きたぐに」定期運用終了(3票)>
第2位には、「日本海」「きたぐに」の定期運用終了が入りました。
説明するまでもないでしょう、大阪発の定期の夜行列車が消滅した瞬間でした。
それだけではなく、「臨時化とはいえ、開放A寝台がなくなったのは非常に残念」といったコメントもありました。


晩年の「日本海」「きたぐに」(右写真は快速副所長撮影)。


現在は多客期のみ臨時で運転。開放A寝台がなくなるなど、どちらも短く寂しい編成になってしまいました。

<2位:211系田町車運用終了(3票)>
同率2位で、211系田町車運用終了がランクイン。


東海道線を走る211系(快速副所長撮影)。


運用を終了した211系は、各地に疎開し、順番に長野へ配給されていきました(残りは5両編成1本のみです)。


その後、4両や6両に短縮され、各地に疎開、一部は工場への入場も始まっています。
今後は、改造して地方に転属、第二の人生を歩むことになっています。

<2位:新幹線100系・300系の引退(3票)>
さらに同率2位で、新幹線100系・300系引退がランクイン。社会的にも大きな話題を呼びました。


こちらは100系です(快速副所長撮影)。とんがった顔が印象的でした。
西日本カラーに塗り替えられましたが、原色に戻っての引退となりました。
最後は短くなって山陽こだまのみとなり、引退もちょっとさみしいものだったかもしれません。


こちらは300系です(快速副所長撮影)。東海道新幹線の高速化時代幕開けの象徴でした。
流線型でキツネ目。今迄とは大きく違う形式でした。
これを撮影した快速副所長も、「新幹線近代化の先駆車両」だったと語っています。

<5位:アンパンマントロッコJR東日本管内で運転(2票)>
5位では、同率で5つのニュースがランクイン。
1つめは、アンパンマントロッコのJR東日本管内での運転でした。
JR四国が車両を貸し、JR貨物が輸送し、そしてJR東日本が運行。
被災地を励ますという1つの目的を果たすため、まさにJR3社の協力プレーで実現した事業でした。


JR貨物が担当した輸送の様子。東京都の条例に配慮し、外装を隠した上での輸送となりました。


JR東日本が担当した運行の様子。左が福島・茨城エリア、右が千葉エリアでの運転の様子です。
その他、青森エリア・岩手エリア・宮城エリアでも運転されました。

<5位:東武8111Fリバイバル塗装に変更(2票)>
同じく5位で、東武8111Fがリバイバル塗装に変わったというニュースもランクインしました。
東武8000系の旧顔である8111Fが旧塗装になり、動態保存という形で運転を開始しました。


野田線や伊勢崎線を中心に、活躍しています(TOBU8509副所長撮影)。

<5位:ED75形貨物運用消滅(2票)>
さらに、ED75形の貨物運用の消滅も5位にランクイン。
晩年は定期運用が消滅し、EH500形の代走という形で運転されていましたが、遂に役目を終えることになりました。


晩年の貨物運用の様子。最後まで、東北本線で力強い走りを見せてくれました。


定期運用はありませんが、JR東日本のED75形は臨時列車(主に工臨)用として健在です。写真は「ELふくしま復興号」の様子。

<5位:ワム・岳南貨物の終了(2票)>
さらに、ワムの運用終了や岳南鉄道での貨物の終了もランクイン。
紙列車のコンテナ化が完了し、長年紙輸送を支えてきたワムが遂に引退。
また、岳南鉄道では代名詞であった貨物輸送が終了しました。


晩年は、主に3461レ、3460レで運用されていました。現在はコンテナ化、列車番号も2087レ、2086レに変更されています。


終焉間近の岳南鉄道の貨物列車。岳南鉄道は貨物輸送で支えられてきた会社だけに、今後が気になるところです。

<5位:阪急3000系神戸本線から撤退(2票)>
さらに、阪急3000系が神戸本線から撤退した話題もランクインしました。
神戸本線の昇圧に伴って導入された、まさに神戸本線のための車両でしたが、今後は他線区に活躍の場を移すことになります。


神戸本線を走る阪急3000系(TOBU8509副所長撮影)。

<10位:新幹線E1系引退(1票)>
同率10位で、7つのニュースがランクイン。
まず1つめは、新幹線E1系の引退です。
オール2階建て新幹線新幹線のさきがけでしたが、9月に引退することになりました。


引退したE1系(快速副所長撮影)。


同じ改正で、E4系も東北新幹線から撤退。E3系との併結運転も見納めとなりました(快速副所長撮影)。

<10位:吉川美南駅開業(1票)>
同じく10位で、吉川美南駅の開業がランクイン。武蔵野線新三郷駅〜吉川駅間に新たに開業しました。
新駅でありながら中線を新たに整備し、臨時列車の折り返しなどにも利用されています。
駅前はまだ開発途上ですが、これからの開発が期待されています。


吉川美南駅の駅名標。


新しい撮影地としても注目を集めています。

なお、ランクインはしませんでしたが、同日に東海道本線幸田駅〜岡崎駅間に相見駅が開業しています。

<10位:E657系デビュー(1票)>
同じく10位で、E657系のデビューがランクイン。
常磐線の新型特急として導入され、来年までに651系とE653系を置換することになっています。


デビュー当日に常磐線を走るE657系。


既に全編成の製造が終了しています。様々な機関車が牽き、話題となった甲種輸送も11月で終了。

<10位:東急デヤ7200・7290引退(1票)>
同じく10位で、東急デヤ7200・7290の引退がランクイン。
鉄道ファンにも人気のあった検測車が引退しました。


新しい検測車「TOQ i」は2月に甲種輸送が行われています。

<10位:新京成8502編成(しんちゃん電車)引退(1票)>
同じく10位で、しんちゃん電車の引退がランクイン。
ラッピング車として親しまれていた車両が1つ引退を迎えました。


さよならヘッドマークが取り付けられました(TOBU8509副所長撮影)。

<10位:京急蒲田付近高架化(1票)>
<10位:京王調布付近地下化(1票)>
今年は長らく続いていた2つの大規模工事が完成した年でもありました。

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<その他ニュース>
ランクインはしませんでしたが、他にもさまざまな鉄道ニュースがありました。

<JR貨物EF65/EF81改番>
個人的にはこれが一番のニュースだったと思っています。
JR貨物のEF65形1000番台が2000番台に、EF81形0番台が600番台に、それぞれ改番されました。


EF65形1000番台は番号に1000が加えられ、2000番台に。赤プレート機はそのまま赤プレートとなりました(写真は1060号機→2060号機)。


白プレートの機関車は、青プレートに変更されました(写真は1101号機→2101号機)。


原色機は、1077号機・1119号機・1121号機がそれぞれ2077号機・2119号機・2121号機に改番。


パンタグラフの大きい初期型の1036号機・1037号機・1040号機も、2036号機・2037号機・2040号機に改番され、生き残りました。



一方、1072号機・1078号機・1079号機・1082号機・1122号機が運用を離脱。


EF81形0番台は、番号に600が加えられ600番台になりました(左は改番前の27号機(現627号機)、右は改番後の633号機(元33号機))。300番台以降は対象外です。


JR貨物のその他の動き。大きいものとしては、EF65-1048・1055・1064の廃車回送がありました。


EF66では、21号機・35号機・54号機が運用を離脱。


一方、52号機・24号機が再び本線上を走行しました(52号機は現在は離脱しました)。

<飯田線119系引退>
飯田線では、3月のダイヤ改正で119系が引退の時を迎えました。


さよなら運転の様子(TOBU8509副所長撮影)。

<小田急10000形「HiSE」・20000形「RSE」・5000形引退、371系定期運用消滅>
3月のダイヤ改正で、小田急では大きな変化がありました。


ロマンスカーでは、「HiSE」「LSE」が引退(両写真とも快速副所長撮影)。


「あさぎり」は「MSE」で運転されることになり、371系も定期運用が消滅しました(快速副所長撮影)。


5000形も引退の時を迎えました(快速副所長撮影)。

<「くろしお」に287系導入>
3月のダイヤ改正で、紀勢本線の特急に287系が導入されました。列車名も「くろしお」に統一されました。

「くろしお」として走る287系。

<阪和色113系引退>
一方、阪和色の113系は引退しました。既に定期運用では消滅していましたが、今年3月31日・4月1日にさよなら運転が行われました。

<富士急6000系デビュー>
富士急では、2月に205系を改造した6000系がデビューしました。

甲種輸送の様子。

<十和田観光電鉄・長野電鉄屋代線廃止>
3月31日をもって、十和田観光電鉄及び長野電鉄屋代線が全線廃止となりました。

<銀座線1000系デビュー>
4月には、銀座線で1000系がデビューしました。

<札沼線電化>
6月、札沼線の札幌駅〜北海道医療大学駅間が電化。10月には、完全に電車化されました。


左の気動車(写真はキハ201系)から、右の電車(写真は731系)に変わりました。


一方、室蘭本線では逆に普通列車が気動車になり、写真の711系は室蘭本線から撤退しました。

<気仙沼線BRT運転開始>
8月、気仙沼線がBRTとして運転を再開。12月には、本格的な運転を開始しました。

<京阪13000系デビュー・京阪宇治線から2600系撤退>
京阪では、宇治線に大きな動きが。
13000系がデビューし、2600系が撤退しました(なお、他路線では引き続き2600系が走っています)。


左が撤退した2600系、右がデビューした13000系(両写真ともTOBU8509副所長撮影)。

<東武634形デビュー>
東武鉄道では、スカイツリーの開業に合わせ、6050系を改造した634形を導入しました。


9月27日に行われた甲種輸送の様子。



東武鉄道ではその他、スペーシアのリニューアルを実施。
上写真の旧塗装から、下の3種類の塗装に変更になりました。スカイツリー開業時には、HMも提出されました。

<高崎線E233系3000番台デビュー>
9月1日、高崎線ではE233系3000番台がデビューしました。


新たに導入されたE233系と、置換対象の211系。


211系は運用の離脱が始まっており、配給輸送が基本編成を中心に行われています。また、転用改造待機のための疎開も合わせて行われています。

<秩父鉄道1007F引退>
12月には、秩父鉄道1007Fが引退しました。


引退した1007F。

<久留里線気動車置換・タブレット廃止>
久留里線では、2つの大きな動きがありました。
まず、3月のダイヤ改正でタブレット交換が廃止。
そして12月、新型のキハE130系が導入され、キハ30系・キハ37系・キハ38系がそれぞれ引退しました。


キハE130系の配給輸送の様子。3回に分けて、全編成の配給輸送が行われました。


引退した旧型の気動車は、12月に3回に分けて配給されました。解体または譲渡が予定されています。

<流鉄「あかぎ(2代目)」「若葉(3代目)」デビュー、「青空」引退>
今年は流鉄でも大きな動きがありました。
3月に「あかぎ(2代目)」、12月に「若葉(3代目)」がそれぞれデビュー。
一方で、7月には「青空」が引退しました。


9月に行われた「若葉(3代目)」の甲種輸送の様子。


「あかぎ(2代目)」「若葉(3代目)」のそれぞれのデビュー時の様子。HMが取り付けられました。


「青空」は7月15日にさよなら運転が行われました。

<ブルーリボン賞・ローレル賞>
今年のブルーリボン賞はE5系新幹線、ローレル賞はHD300形機関車でした。


ブルーリボン賞のE5系新幹線。


ローレル賞のHD300形機関車。

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